PowerShot S90
パノラマ写真
Canon PowerShot S90のパノラマ機能は、PowerShot S60にも備わっていた歴史ある由緒正しい、言い換えれば、古びたパノラマ・アシスト機能だ。

撮影モードを”SCN”に合わせ、コントローラー・ホイールを回して、”左から右パノラマ”または”右から左パノラマ”のどちらかを選ぶ。 ポートレート(縦置き)に持てば、上から下、下から上のパノラマになる。
1枚目を撮影すると、その画像が左端に出てくるので、その写真の右端に左が重なるように次の写真を撮る。 このように一枚一枚撮影し、適当なところでSETを押せば終了だ。 撮った写真をカメラ内で自動接続し、パノラマ写真に仕上げてはくれない。
自動パノラマ作成機能を始めて搭載したソニーのDSC HX-1と比べると、
- あちらは、シャッターを押し続けて振り回すだけ。 こちらは、モニタを見ながら、1枚、1枚撮影する。 ミスっても、すべて自己責任だ。
- 全自動で作成しない分、こちらは自由度が高い。 広角から望遠まで、ズームはどの位置でもOK。 マクロでも構わない。 あちらは、強制的に広角端にセットされる。
- パノラマの横サイズも、こちらは2枚で終わろうが360度であろうが好きに決められる。 あちらは横サイズは固定である。
- あちらは、カメラ内でパノラマ写真が完成するが、こちらが作ってくれるのは、パノラマの元画像だけ、撮った写真を、ファイル名に工夫はしてくれても、フツウの写真として記録するだけ。 ということで、PowerShot S90ではパノラマ写真を作るために、後処理が必要になる。
Canon Utilities PhotoStitch
キヤノンのコンパクト・デジカメに無料付属するパノラマ作成ソフトである。
操作方法は簡単明瞭で、
① Canon ZoomBrowser EXを実行する。
② パノラマ・シーンで撮影した画像はサムネイル内で連続で並んでいる。 パノラマに必要な写真を選択して、ツール・メニューから”画像のパノラマ合成”を選ぶ。

③ PhotoStitchが起動し、選んだ画像が表示される。 順番が正しければ、”2.合成”タグをクリックして”開始”ボタンを押す。 Exifから合成に必要な撮影データを読み取ってくれるので、煩わしい設定はない。

④ 作業が終われば、パノラマ写真のプレビューが出る。

”拡大”で大きくし、緑の枠で囲まれた接合箇所をクリックして、重なりを調整できるが、最大に拡大しても、実サイズより小さく、画像の質が悪い上に、元画像の回転、縮小拡大もできないので手で合わせるのは無理だと思う。
⑤ ”3.保存”タグをクリック。 パノラマに四角い緑の枠が重なっているので、その四辺をドラッグして、パノラマ写真の領域を決定する。

⑥ ”画像の調整”ボタンをクリックすると調整ダイアログが出る。

この中の”表示形式”について、オンライン・ヘルプから引用すると、
ノーマル
広い視野角の画像を見渡せる表示形式です。この形式は、多くの画像を合成した場合に最適です。ただし、建物などの被写体の直線が、丸味を帯びて表示されます。
ワイド
建物などの被写体の直線を、そのまま直線として表示できる形式です。この形式は、直線的な被写体が含まれる画像に最適です。ただし、表示できる視野角には制限がありますので、多くの画像を合成した場合は、すべての範囲を表示しきれない場合があります。
⑦ ”保存”ボタンを押す。

リスト・ボックスから保存形式を選び、”オプション”ボタンをクリックし、詳細を設定する。
以上で完成である。
画像クリックで少し大きなパノラマを別ウィンドウに表示
画像下の”元画像を表示”で原寸大を表示
ノーマル形式で作成 
元画像を表示(5MB 12622 x 2253)
ワイド形式で作成

元画像を表示(3.5MB 10205 x 2462)
Apple QuickTime VR
完成したパノラマの縦・横共に50%縮小して(QTVR)QuickTimeVRを作成。 PhotoStitchのこの機能は。自由度がほとんどなく、お仕着せのQTVRが出来るだけだ。
再生画面の上で移動したい方向にドラッグ。 + -ボタンでズーム。
キーボード:上下左右キーで移動。

画像をクリックすると別ウィンドウに表示
なんちゃってパノラマ

山頂に段差ができたり、水面の色が微妙に違ったり、ガードレールや手すりが切れていたりしているが、 お気楽が正しくカメラを回転させていないのが原因でもある。
ノーダル・ポイント
カメラを回転させながら連続して撮った写真を、ピッタリ合成するには、正しい中心で回す必要がある。 この中心をノーダル・ポイントと呼ぶ。 それは三脚のネジ穴でもなく、CDDの面でもレンズ先端でもない。 デジカメは上下逆さまの像をCCDに結ぶ。 そのため、被写体の上端と下端から延ばした線がどこかで交差する。 この交差点がノーダル・ポイントである。 通常はレンズの根元にあるらしい。 そこを中心に回せば、上記のような”なんちゃって合成”が回避できる。
言うは易しだが、そんなポイントがどこなのかわからん。 レンズの根元にあるのなら、手首で回せば何とかなるのか?
パノラマ写真を作るソフトを”Stitch”と言うが(コイツもstitchと呼ぶが何でだ?)縫い目のことだ。 優秀なソフトは、ノーダル・ポイントから外れて回転させても高度なロジックで縫い付けるかも知れないと言うことで他のパノラマ・ソフトも試してみなければ。
随分昔のことだけど、パノラマ写真に夢中になった時期があった。 その際に購入したソフトが2本、HDDの隅で眠っていた。 それを使ってみる。
PhotoVista ver.2
ネットで最新情報を調べると、現在はVer3.5、ただし開発会社が違っている。 現在は、isee、お気楽が持っているのは、MGI製だ。
操作方法は、PhotoStitchとほぼ同じだが、汎用なのでレンズ・データをセットしなければいけない。

元画像を表示(6.7MB 13710 x 2238)
なんちゃって度もPhotoStitchと同じ。


幽霊森が出てきたり、鉄塔が空を飛んだり、つなぎ目がバレないようぼかしたり。
PanaVue
長い間使わず、XPメニューの底に沈んでいた残りの1本は、PanaVueだ。 バージョンは2.12、最新バージョンは3。 当時、このソフトはパノラマ写真の他、被写体を何枚かに分割して撮影し、それを縫い合わせ大きな一枚の写真に仕上げるのに使われていた。 高級デジカメでも200万画素の時代だったので、フィルム・カメラと同程度の高解像度写真を得るにはこの方法が安上がりですんだ。

元画像を表示(5.8MB 10989 x 2300)
Apple QuickTime VR

画像をクリックすると別ウィンドウに表示
前の2本のソフト同様のクリック一発簡単ソフトでなく、多機能な手動調整が備わっている分、操作が煩雑だ。 ただし、上手にstitchしてくれるので、なんちゃってパノラマ度は低く、おかしい箇所を探すのは、”ウォーリーを探せ”になる。

PTGui
お気楽がパノラマ写真に夢中になっていた頃、世間もパノラマ・ブームの真っ最中。 ネット上では、あるソフトが話題になっていた。 ドイツの大学教授が開発し、無料で公開していたが、アメリカの某ソフト会社が特許侵害だとイチャモンをつけた。 ゴタゴタを恐れた教授は突然サイトを閉鎖したが、ミラー・サイトは潜に運営を続けた。 お気楽もそんなサイトからダウンロードした一人だった。 このソフトは、Photoshopのプラグインになっていて、難解で手順の多い操作であったが、素晴らしいstitch(縫い合わせ)を見せてくれた。
その教授とどんな関係だったのか知らないが、stitchのロジックをそのまま移植し、操作体系を改良したソフトが登場した。 当初は無料だったが、すぐに有償なったと記憶している。 このソフトを買う前に、お気楽のパノラマ熱は冷めてしまった。
メール・リストに登録していたので、バージョンが上がる度に連絡が来ていたが、サイトも見ずに放置し続けた。 今回、久方ぶりにサイトを覗いた。
このソフトは、PTGui、オランダ製だ。 もはやPhotoshopのプラグインではなく単独で動作する。 お試し版をダウンロードして使ってみた。

元画像を表示(6.3MB 11413 x 2157)
Apple QuickTime VR

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多機能なのでクリック一発簡単ソフトのようにはいかないが、出来上がりは完璧である。 選択肢の多い操作は、一見とっつきが悪いが、多少パノラマ写真の知識があれば、何とかなる。 で、思い切って購入した。 ネット販売で10,800円、高い買い物か安い買い物かは今後の使用頻度で決まる。
PowerShot S90のパノラマ・シーンで撮った写真は円筒形に貼り付けた形式になるが、このソフト本来の使われ方である球体に貼り付け全方位のパノラマ写真(*)に挑戦したいと思っている。 お気楽所有のEFS 10-22mmで無理なら、これも持ってるぞぉ~。
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